2010年11月3日水曜日

3D発モーションコントロール経由変なモノまで、GDC展示ホール特集

●明日のゲームが見えてくる?

  2010年3月9日?13日(現地時間)の5日間、アメリカ?サンフランシスコのモスコーニセンターにて、ゲームクリエーターによる国際会議、 GDC(ゲーム?デベロッパーズ?カンファレンス)2010が開催。世界中のクリエーターによる講演が多数予定されている。ファミ通.comではその模様を総力リポートする。

 GDCといえば講義だけでなく、毎年3日目あたりからオープンする展示ホールも魅力のひとつ。ゲーム開発者が集まるということで、新作ゲームに採用してもらえるよう先端技術が公開されていたり、パブリッシャー(販売メーカー)を見つけるために新作ゲームなどが紹介されている。今年はホールをコンパクトにまとめ、展示とビジネス用ブース、求人コーナーが1ヵ所にまとまっていた。

●任天堂は『モンハン3』、SCEはモーションコントローラ推し

 任天堂は北米への上陸を控えたカプコンの『モンスターハンター3(トライ)』を中心に、WiiとニンテンドーDSのタイトルをいくつか展示していた。エスカレーターの前や展示フロアーに進む通路には、『メイドイン俺(英題:WarioWare D.I.Y)』の広告が展開されていた。自分でゲームを作ってみるのは、開発者の第一歩だということだろう。欧米の開発者が作った“俺ゲーム”はどんなものになるのか気になるところ。

 一方のソニー?コンピュータエンタテインメントは、“PlayStation Moveモーションコントローラ”を中心にした展示を展開。モーションコントローラで『Eye Pet』をプレイできたり、2本持ちで遊べるゲームも展示されていた。そのほか、2本持ちをやった場合にどう認識しているのかがわかる技術デモもあった。それ以外では『ゴッド?オブ?ウォーIII』や先日北米で発売された『ファイナルファンタジーXIII』などが展示されていた。マイクロソフトのブースの模様についてはこちらの記事を参照してほしい。

●仁義なき3Dバトル

 世界最大の家電ショーInternational CESの流れを受けて、3D立体視関連の展示もあちらこちらで行われていた。ソニー?コンピュータエンタテインメント、インテル、NVIDIA、Crytekと、そうそうたるメーカーが出展を行っていた。記者が個人的に一番グッと来たのは、専用グラスがすでに発売中のNVIDIAの3D VISION。チラつきが限りなく少なく、そのほかの展示が“浮かんでいる”感じだったのに対して、“そこにある”感じを得ることができた。対応環境を揃えればPC版『バイオハザード5』が対応しているので、気になる人はプレイしてみてほしい。アンリアルエンジン3が対応を表明したので、今後対応タイトルが増える可能性もある。

 ただし、グラスや出力方法を変えることで、ほかの技術もリアリティーが増す可能性もあるので、あくまで出展内容でのものとご理解いただきたい。ちなみにCrytekのブースには『Crysis』シリーズで主人公たちが着るスーツの人形が。『Crysis 2』も3Dで遊べるのか?

●細かいところを拾ってみました

 すごいおもしろそうだけど実用性が謎なものから、インディー(独立系)デベロッパーが開発したキラっと光る新作、こぼれネタまで一気にまとめてみました。

■俺視点シューティング
?VirtuSphere
?公式サイト
www.360virtualventures.com/
 360 Virtual Ventureが展示していたのは、巨大な球体VirtuSphere。写真ではわかりにくいかもしれないが、この球体の中にヘッドセットをつけてプレイするという、壮大な一人称視点シミュレーターなのだ。とんでもなく新しいゲーム経験な気がするけど、サバイバルゲームでもやればいい気がしないでもない。むしろ公認のFPS(一人称視点シューティング)『America's Army』を作っちゃう、米軍あたりが採用するのかも? と思いきや、もともとは軍のトレーニング用に開発されたものらしい。まずは、近日中にラスベガスのホテルに設置されるのだとか。で、実際に試してみたところ、球体の中を歩くということで多少足はふらつくものの、なかなかのバーチャルな気分で楽しめた。ヘッドセットにつけられたスクリーンが小さく、ちょっぴり画面が見えづらいのが残念なところ。

■脳波コンふたたび
?Neurosky
?公式サイト
www.neurosky.jp/
 東京ゲームショウに2年連続で出展しているNeuroskyが、GDCでも脳波コントローラーを出展していた。ちなみにGDCでは4年連続出展とのことで、年々精度は上がっているとのこと。自分の脳波でちゃんと動くのかチェックする人が後を絶たないのは、ここサンフランシスコでも同じだった。いくつかのゲームメーカーが興味を持っているとのことで、もしかしたら近いうちにゲームに実装されるかも? ちなみにデモンストレーションなどが楽しめる“mindset“は25000ドルで販売されているそうです。

■AR式箱型コントローラー
 ゲームですらない、技術実験のデモも見ていると結構楽しいもの。こちらはAR技術を使ったもの。箱の位置をカメラで認識してゲームの画像を重ね合わせ、箱を傾けるとゲームの中の世界も傾き、プレイヤーをゴールまで導くというもの。

■iPhoneをコントローラーに
AR.Drone
公式サイト
ardrone.parrot.com/parrot-ar-drone/en
 Parrotが展示していた“AR.Drone”は、iPhoneのゲームではなく、iPhoneをコントローラーにしてラジコンを飛ばそうというもの。販売されるのはドローン型のラジコンのみで、操作に必要なソフトウェアはiPhone向けにApp Storeでフリー配布される予定。ラジコンにはカメラがついており、周囲の映像をiPhoneで見られる。傾きに対応していたり、仮想の敵と戦えたりと、機能は中々豪華だ。価格は数100ドル程度で、この夏にも発売予定とのことだ。公式サイトによると、近日中に日本語サイトも立ち上がる模様。

■ギターゲームの極限
Power Gig: Rise of the SixString
公式サイト
powergig.com/
 ライブポスター風のチラシをばら撒き、マイルーム風のブースでデモを行っていたのはSeven45 Studiosが2010年秋にプレイステーション3とXbox 360向けにリリース予定の『Power Gig: Rise of the SixString』。ギターゲームがすでに数多くあり、しのぎを削っている音ゲー市場に「本当に6弦あればいいだろ?」と乗り込んでしまう姿勢がたまらない。これもまたギターを弾けばいいんじゃないかと思ってしまうのだが、無粋だろうか。ゲーム画面が一切出ておらず、ブースでも演奏者にしかわからないようになっているのが気になるが……。

■EAも認めたインディーゲーム
Shank
公式サイト
www.shankgame.com/
 EA Partnersがパブリッシング契約を発表したインディーズゲーム『Shank』のブースには多くの人が集まり、ビデオインタビューなども行われていた。基本は横スクロールの2Dアクションなのだが、アメコミ調のグラフィックが魅力的。

■オー人事
 GDCでは、学生や転職を考えているゲーム開発者向けに、就職?転職用のコーナーも併設されている。世界最大のオンラインゲーム『World of Warcraft』や『Diablo III』など多くの注目作を抱えるBlizzardのブースには、人事担当者と話そうと多くの人が駆けつけていた。ZeniMax Mediaでは、ベセスダ?ソフトワークスの『フォールアウト』、『エルダー?スクロールズ』以外に、傘下に収めたid Softwareの『Doom』、『Quake』といった人気フランチャイズ以外に「次の偉大なMMOゲームを作っています」との文字が。Zenimax Online Studiosの存在は以前から公にされていたが、早く新作を見たい!

■つわものどもが夢のあと
 土曜日の午後も3時を過ぎると、徐々に撤収の空気に。それではまた来年! となるところですが、まだまだ会期中にフォローしきれなかった講演や新作情報をお伝えしていくのでお楽しみに。

引用元:セキヘキ(Sekiheki) 情報局

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